空中散歩

ふわふわと空中を歩くように、好きなドラマや映画、アーティストなどについて書いています。

「レディ・ベス」と「サラディナーサ」がリンクする

ミュージカル「レディ・ベス」の舞台を見られなかったので、DVDの発売を楽しみにしています。

 

舞台は見ていないけれど、プロモーションや雑誌などで美しいベスと、古川雄大さん演じるフェリペ王子の写真を見ながら、実はずっと吹き出したい衝動を噛み殺し続けています。

もちろん舞台のせいでも、俳優さんのせいでもありません。

エリザベス1世とフェリペ2世のイメージが、私にとっては河惣益巳さんの漫画「サラディナーサ」の二人だからです。

 

「サラディナーサ」はフェリペ2世治世下の、スペイン貴族であり大艦隊を有するフロンテーラ一族の姫、サラディナーサの生き方を描いた歴史ファンタジーです。

 

フェリペ2世はこのサラディナーサの親族として初めから重要なポジションで登場しますが、史実と照らし合わせると、作中の年齢は五十代から六十代でしょうか。すでに大スペイン帝国の王として、最高の権力を持った人物です。

エリザベス1世の作中での登場は遅いのですが、フェリペ2世とほぼ同年代。こちらもイギリス女王として権力をふるっています。

この「サラディナーサ」の中では、どちらも大国の統治者として権力を持ち、権謀術数にあけくれる狡猾で強かな人物として描かれていました。

 

そのイメージの方が先にあったので、「レディ・ベス」の人物写真やあらすじを読むと、「ああ、こんなに美しい人たちが、数十年後にはあんな風に・・・」と、「サラディナーサ」とおかしな具合にリンクしてしまいます。

古川雄大さん演じる美しいフェリペ王子を見たあと、「サラディナーサ」でのフェリペ2世を見るとかなりの衝撃を受けますが、まあどちらも現実ではないので・・・(笑)

 

「サラディナーサ」にはフェリペ2世やエリザベス1世のほかにも実在の人物が出てくるので、当時のヨーロッパ史を大掴みするにもいい漫画ですし、そういうことを別にしても、心昂る非常に面白い漫画です。

 

だいぶ前に宝塚で舞台化されたと思っていたのですが、どこにも記録がないので記憶違い?

メインキャラの扮装写真を見たような気がするのですが・・・

 

 

サラディナーサ 1 (白泉社文庫)

サラディナーサ 1 (白泉社文庫)

 

 

エリザベス1世の周囲にはメアリー1世のみならず、絵画で有名なレディ・ジェーン・グレイや、スコットランドの女王メアリー・スチュアートマーク・トウェインの作品「王子と乞食」のモデルとなったエドワード6世など、文学や芸術の題材とされる人物が数多くいます。

 

それは作品の題材となり得る、悲劇的な運命を持つ人が多いということで、この時代、いかに政治的な謀略によって運命を弄ばれた人物が多かったかということも表しているようです。

 

そんな情勢のなかで、イギリスの黄金時代の基礎を築いたエリザベス1世、太陽の沈まぬ国と言われる大帝国を維持したフェリペ2世。

どちらの治世下も文学、絵画、美術などの文化が花開いた時代なので、二人とも非常に有能な統治者だったと言えるでしょう。

 

そういえば、歴史の教科書に載っている日本が1582年にローマ教皇に向けて派遣した「天正遣欧使節」は、フェリペ2世に謁見しています。

日本との関わりがわかると面白いですね。

 

そんなわけで「レディ・ベス」、DVDを楽しみにしています。